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科学用語「氷結点」とは?

 細胞レベルでみると凍結は死を意味する(特に、細胞内凍結)。つまり生と死の境界は水が凍結する零度ではなく、生きものが凍り始める温度である氷結点を基軸としてとらえるべきである。すなわち、0℃より低温になっても、氷結点までの温度領域ならば生体(細胞)は生きており、かかる0℃以下、氷結点までの未凍結温度領域を「氷温領域」としたのである。
 この食品中に氷ができはじめる温度(凍り始める温度)の用語について、ある学会では「氷点(cryoscopic temperature)」を用いるが、あまりに水が凍るという現象(1気圧のもとでは0℃)のみを強く連想させてしまい、0℃以下の未凍結の世界(氷温)の説明を困難にするという問題があり、また「凍結点」は硬い凍結状態を示す温度といった誤解が生じやすいことから、氷温学会等氷温グループでは、氷結晶の生成温度を示す「氷結点」(freezing point)という表現を用いている。
 具体的には、サラダ菜の氷結点はマイナス0.4℃、トマトではマイナス0.9℃というように、野菜、果実あるいは魚、肉など食品の種類によって違い、さらには同種の食品であっても収穫場所、収穫時期によって異なる。生きものが生きものである以上、基本的には画一的な性状を示す工業製品のように取り扱えないのである。






 
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